心疾患の予後

心筋梗塞の治療後について

テレビに出る人で心筋梗塞になった人を御存知でしょうか。

徳光和夫さんは心筋梗塞になりましたね。
現在は元気に活躍されてます。
西田敏行さんも仕事復帰してます。
松村邦洋さんはマラソンで意識がなくなって、心停止まで起こしてるのですが、心筋梗塞2年後に赤坂5丁目ミニマラソン出場してます。ブラザートムさんも元気に歌を歌ってます。
心筋梗塞を起こしても自転車に乗ってる人と家でずっと横になってる人はリスクが違いますよね。

冠動脈バイパス手術は日常の運動量を増やし、症状を軽減させ、必要な薬の種類あるいは用量を減らすことができます。
この手術の経験をした私の師匠は坂道を登るときに軽自動車がターボを積んだような感じになったと話してました。
バイパス術が最も有益なのは、薬物療法が効かない重症な狭心症の人、心機能に異常がない人、心臓発作を起こしたことのない人、慢性閉塞性肺疾患などの手術によって悪化するような病気がない人です。
緊急時以外のバイパス術による死亡率は1%未満で、手術中の心臓障害(心臓発作など)の発症率は5%未満といわれている。
患者の約85%は、手術後に症状が完全に治癒あるいは劇的に改善すると言われてます。

金属ステント(Bare Metal Stent:BMS)は経皮的バルーン血管形成術(Plain Old BalloonAngioplasty:POBA)より再狭窄率を低下させましたが、再狭窄率は20%~30%とまだ十分ではありませんでした。
しかし、薬剤溶出ステント(DES)の登場によって、再狭窄が5%に近づいたのです。
DESはステントに薬剤が塗布されているため、露出した金属面を血管内皮が覆うのが遅く、3年近くにわたってステント内血栓症が増加し続ける。
このため、本邦のガイドラインでは、ステント留置例に対する作用機序の異なるアスピリンとチエノピリジン系薬剤の併用投与は、DES留置例では最低12ヵ月、BMS置例では最低1ヵ月継続することを推奨されてます。
つまり、ステントを置いてしばらくは血栓を予防する薬を止めるとステントに血栓ができて心臓発作が起こるのです。
なので、DESの留置後1年は歯科治療のときに抗血栓薬を休むことは危険なことなのです。

心筋梗塞・狭心症の治療後の人で、ちゃんと医師の言うことを聞いて生活しているリスクファクターが少ない人よりも、糖尿病や喫煙者などの心疾患の発作前のリスクファクターが多い人の方が心臓の発作を起こす可能性が高いような気がしますがいかがでしょうか。

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