妊娠中の患者さんの話をしましたが、今回は授乳中の患者さんの投薬の話です。

大学病院では口唇裂の手術を生まれて3~4ヶ月、体重が6kgを目安に行っております。

この時期に手術をする場合に点滴で全身麻酔薬、抗菌薬などが投与され、鎮痛剤としてアセトアミノフェンが投与されます。これは、抗菌薬や鎮痛剤が乳児の体の中に入っても問題ないとされていることの裏づけだと考えられます。

大事なことはその薬剤を投与すべきかどうかの検討だと思います。投与しなくてもいいときに投与すべきでないし、投与しなかった場合にその症状が悪化すると考えた場合には投与すべきだと思います。感染してた場合に抗菌薬の投与をしなかったら、悪化して抗菌薬の投与量が増えると困りますので、投与は必要です。

どうしても気になるのであれば、搾乳しておくとか、粉ミルクをあげるとか工夫していただきます。

それでは、雑誌にはどのように記載されているのでしょうか??

授乳時に母親が服用した薬剤は、母体血液から母乳中へ移行する。移行する程度は薬剤によって異なるが、相対乳児摂取量(薬剤が乳児に及ぼす影響をみる一つの使用で、%で示されることが多い。)で多くの薬剤は1%以下といわれている。多くの薬剤は母乳中に移行するため、「やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること」となっているが、通常使用量で短期間投与ではほとんど問題ないとされている。

わが国の薬剤添付文書では乳汁中に分泌されるものは新生児に影響がなくてもすべて授乳中止となっているため、AAP(American Academy of Pediatrics)が出した詳細なevidenceに基づくガイドラインを参考にしたほうがよい。妊娠中はDrug in Pregnancy and Lactationや添付文書にしたがって投与するほうがよい。添付文書の措置の項として「投与しないこと」もしくは「投与しないことが望ましい」とされるものでも妊婦や胎児に安全であることが確認されているものが多数あるが、原則として処方しないことが大切である。なお、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」とされている薬剤は抗てんかん薬を除いては、催奇形性はないとされているため、治療上必要がある場合には妊娠していないときと同様に処方しても構わないと言われている。

産科と婦人科という雑誌の2008年11号に「妊婦授乳婦の抗菌薬のつかい方」という記事から引用してます。

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