まっすぐの親知らずの抜歯

今から、どんな親知らずが抜きやすいか、抜きにくいかをデータで示したいと思っているのですが、抜歯の実際をイラストで示したいと思います。

まず、まっすぐの単根の親知らずです。

近心頬側にヘーベルをかけて遠心に倒すように抜歯するか、頬側から舌側に倒すようにして抜歯します。

まっすぐだから簡単ということは無く、ヘーベルがかけにくいので、意外と難しいのです。

他にもまっすぐの歯が抜きにくい理由があって、

①歯囊上皮の付着が強い。②根が湾曲していることがある。③遠心歯冠を骨が覆う。④骨と癒着している。⑤ヘーベルをかけにくい。というこの5つの要素があります。

歯囊上皮の付着が強い、に対しては、最初に歯囊上皮の付着を切断することで対応できます。・・・私はエキスカで切断します。根が湾曲していることがあると、遠心歯冠を骨が覆う、に対しては遠心歯冠を根まで分割し、遠心に倒すと抜きやすくなります。患者さんの年齢があがるにつれて癒着が強くなってきます。癒着に対しては遠心歯冠を根まで分割して先にとって、遠心に倒すように抜いてみて、それでも抜きにくい場合には周囲の骨を削合して抜歯します。ヘーベルをかけにくい場合にはヘーベルをかけるための溝をつくります。

まっすぐの2根はさらに難しくなります。根が分かれていたら、二つに分割して抜くことが多いです。分割はちょうど真ん中で分割できれば理想的ですが、これが難しいんですね。遠心歯冠だけ割れたら難しいし、近心歯冠だけ割れたらもっと難しいですね。

抜歯のしやすさを、評価するにあたって、それぞれの抜歯で、根を分割しないと抜けなかったのか、ヘーベルを引っかける場所をつくらないと抜けないのか、根の分割をせずに、さらにヘーベルを引っかける場所をつくらないで抜歯ができるかどうかを評価項目にしてデータを出したいと思います。それはまたこんどですね。

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福岡で親知らずの抜歯、ドライマウス、睡眠時無呼吸症候群、口腔がん健診のことならやましろ歯科口腔外科へ。 日本口腔外科学会認定専門医が治療します。

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