口腔外科専門医が口腔癌検診を行います。
H31年1月(約2年半)で19名の口腔ガン患者が来院し、諸施設に紹介しました。
直接、大学病院に行きにくいと思いますので、ちょっとでも心配なことがあればおいでください。
当院で口腔ガン検診をされた患者様の癌
当院で発見したがんは、口腔がんで一番多い扁平上皮癌だけでなく、唾液腺癌、転移性癌、白血病、悪性リンパ腫と多種多様です。
口の中にも「がん」はできます
一般に、口腔癌の発生率は10万人に1人(0.001%)といわれていますが、ある口腔癌検診では、1,633名の検診で、口腔癌が3例見つかった(0.14%)といわれています。
総合病院に初診でいらっしゃる患者さんの写真
これぐらい大きくなるまで放置する人が多いのです。
こちらは癌
これは癌ではありません
組織検査による診断
ある程度は見てわかりますが、最終的に癌であるかどうかは、組織検査で判断します。
※組織検査は大きな病院で行います。
保険診察の中で口腔がんがあるかどうかはチェックできます。
病巣が小さければ切除も少ないので、早期発見を目指しましょう!
でも・・・前癌病変は方針の決定が難しいことがあります。
前癌病変があれば特殊な染色をして変化を観察します。
福岡県福津市《やましろ歯科口腔外科》では、口腔癌の早期発見に全力を注いでいます。
口腔癌の前段階の病変を判別について
健康で正常な舌の表面や、歯肉はピンク色をしています。
白板症という舌や歯肉等の粘膜にできる白色の病変は上皮という皮が厚くなって白く見えるのです。
この白板症は前癌病変といって、時々癌の前段階の病変が隠れていることがあるのです。
癌に変化する前の健康ではない細胞の状態(癌の前段階の病変)と癌になったばかりの病変は、
見ただけでは簡単に白板症と区別をすることができないのです。
今まで口腔内の癌の病変診断はとても難しいものでしたが、
このたび下記のような《様々な粘膜異常を観察出来る装置》を導入しました。
前癌病変がない部分には使用しません。
《VELscopeVX》
-癌と前癌状態
-ウィルス、真菌および細菌感染
-様々な原因によって引き起こされる炎症 など
迷わずに診察にいらしてください。
病変描出のしくみ
口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)で口腔内に400nm~460nmの 青色光を照射し、その反射光によって組織の異形成の有無を観察します。
上皮異形成組織や炎症は青色光を反射することなく、光を吸収してしまうため暗色として見えます。
これをFVL(蛍光可視の消失)と呼びます。
上皮異形成組織や炎症においては、細胞の代謝が活性化しFAD補酵素が減少するため自家蛍光が低下し、暗色となります。
また、正常なコラーゲン架橋構造もFAD同様に蛍光物質であると確認されていますが、炎症の浸潤により架橋構造が破壊されると自家蛍光が低下するため暗色に見えます。