今週はH病院に出張して、顎関節脱臼手術をしてきました。
顎関節脱臼、つまり、 顎が外れて元に戻らなくなった時にそのような診断をつけます。 外れたようでも、元に戻れば顎関節症といいます。
通常、顎が外れた場合は医師の手で元に戻すのですが、 ゆるんだ顎はすぐにはずれて元に戻らなくなり、癖になるのです。
顎がはずれ安くなるのは、 脳卒中やパーキンソン病の患者さんが多く意思疎通がとれない患者 さんが多いです。
総合病院で働いていた時には顎が外れた患者さんが救急外来にいら っしゃって、よく時間外に呼ばれたものです。 これらの患者さんたちは、介護が必要な患者さんが多く、 顎がはずれたままだと、肺炎のコントロールが難しいこと、さまざまな理由で手術を選択することがあります。
いろいろな問題があり、顎関節の手術をしてもそのうち再発する可能性がなくなるかというと難しく、先人達は試行錯誤を繰り返して現在に至るわけです。
そこで、最近比較的成績が良いと言われている方法で手術を行ってきました。
今回の患者さんはとても難しい要素がありましたが、今回の患者さんのことは置いといて、顎関節の手術について簡単に説明します。
通常の顎がこんなんです。
顎がはずれるとこうなります。
これは昔の患者さんですが・・・
通常、顎がこの青い高まりを超えて口が開くのですが、この高まりを乗り越えて元の位置に戻ります。この高まりを乗り超えて戻ることができなくなると口が開きっぱなしでこまるのです。
ですので、今回の手術ではこの高まりを削って平らにし、外れてももとにもどりやすくすることを目標としたのです。
以前は固定用のプレートを曲げて先ほどの青の部分を乗り越えないようにする手術をしたこともありますが、このプレートが外れたり、プレートを乗り越えたりすることもあるようです。
それぞれの歯術に長所と短所があるのですが、それを患者さんに説明して手術を選択します。
脳梗塞やパーキンソン病の患者さんはこのように顎が外れやすくなる方がいます。このように顎が外れやすい人がいたら相談してください。
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