こんにちは。久しぶりのブログです。
今年は感染の症状が出たことがない下顎完全埋伏智歯の麻酔の後にプローブでポケットを探ってみました。麻酔をした後にプローブで硬組織(下顎智歯の歯冠)を触れるかどうかを記録しました。そして、抜歯をした後に歯石がついているかをみて記録しました。まずこれが、集めた患者の情報です。完全埋伏智歯は歯肉の中に完全に入っている下顎智歯ということです。
次に様々な条件で歯石がついているかどうかをみました。
やっぱり年齢とともに歯石がついている割合は増えますね。
でも深さは有意差ありませんでした。Pell-Gregory分類Position Cでも19.2%についていることは注目すべきことだと思います。歯の傾斜では水平埋伏が歯石の沈着が多いとのことでした。
多変量解析では35歳以上の症例で歯石の沈着のリスクが著明に高いという結果になりました。
こちらは統計学的に何歳から歯石の沈着が増えてくるかというROC解析です。31歳以上になると歯石の沈着が増えてくるっというということですね。
ということで、きりが良い30歳以上と29歳以下でプローブで下顎智歯の歯冠を触知した症例と触知しなかった症例に歯石がついていたかを割合で表しました。29歳以下ではプローブで歯冠を触知した症例の18.2%だけ歯石がついていたのに対して、30歳以上では94.1%に歯石がついていました。29歳いかではプローブで歯冠を触知しなかったら歯石はついていませんでした。それに対して30歳以上になると13.8%だけ歯石がついていました。
つまり、20代まではプローブで下顎智歯歯冠を触知しても、まだ歯石がついていない症例がほとんどですね。30歳を超えるとプローブで歯冠を触知するとだいたい歯石がついているっていうことです。20代でプローブで歯冠を触知していた場合に抜歯せずに置いておいても30歳超えてくると歯石がついてくるっていうことでしょうね。
次グラフは点線が歯冠を触知する場合、実線が歯冠を触知しない場合で縦軸は歯石がついている可能性を表します。31歳ぐらいから歯冠を触知する場合に歯石がついている可能性がぐんと上がってくるようです。歯冠を触知しない場合でも30代と40代とではある多くはありませんが程度歯石がついている症例が身らるようです。
このように、プローブで8歯冠を触知するかどうかは、8抜歯を勧めるかどうかの指標とすることができるのではないかと思いました。
今年もう少しありますので、もう少しデータを集めて発表したいと思います。
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