埋伏智歯周囲組織の萎縮について

下顎埋伏智歯を抜く場合に、若い時に抜くのが楽ちんですよ~という話を昨年しました。

下顎埋伏智歯の歯冠の周りには歯嚢が、歯根の周りには歯根膜という軟組織が存在します。しかし、これらの軟組織は、役に立たなければ年を重ねるにつれて萎縮してきます。萎縮した部分は骨に置換していきます。抜歯する時にはどこまでが骨で、どこからが歯かがわからない時もあります。癒着が強ければ抜けないこともあります。この軟組織の様子をCTで観察できましたので、示したいと思います。左一列が22歳、真ん中が43歳、左1列が65歳で、横一列に同じ方向の断面と一番下の列に3D画像のを示しております。22歳の患者さんの親知らずには周囲を一層の黒い線で覆われていると思いますが、これが、歯嚢や歯根膜ですね。これらが、43歳と65歳の患者さんにはほとんど見られません。このように、年を重ねるにつれて骨に癒着した患者さんが増えてきますので、抜歯は若~いときにする方が簡単なんですね。術者も気を付けて抜歯をしてください。

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