2000年からこの仕事を始めたのですが、そのころは当然それよりも昔の本で勉強をしてたんです。ある本の心筋梗塞の項に心筋梗塞の再発についてこんなふうに書いてありました。
心筋梗塞の発症後に心臓以外の手術をして心筋梗塞が再発した症例は
心筋梗塞発症後3カ月以内に手術を行った場合 再発率37%
心筋梗塞発症後4~6カ月に手術を行った場合 再発率16%
心筋梗塞発症後6カ月以上経過して手術を行った場合 再発率 5%
このデータで、心筋梗塞発症後は6ヶ月以上経過しないと歯科治療は危ないですよって言われてたんです。
この本は1984年(昭和59年)の歯科と全身疾患の本なのですが、33年前の本ですのでこのデータはそれよりも大分前の治療データです。40年前ぐらいの治療データでしょうか?
40年前の治療と現在の治療はだいぶ違うと思いますので、30年前の本を見て勉強してもダメですね。
ということで、これからは最近のデータを調べたので、御報告いたします。
今回は心筋梗塞の治療成績の変化についてです。
東京都CCUネットワーク活動状況報告2012の院内死亡のデータです。
院内死亡っていうのは入院して治療したけども退院する前に亡くなったということです。
この報告では1982年における急性心筋梗塞の院内死亡率は約20%でしたが、2012年には5.7%まで低下してます。
昔のバルーン治療では5年生存率は30~50%ぐらいみたいですが、最近の材料である薬剤溶出性ステントという材料をつかったら、5年生存率は2~10%ぐらいで、冠動脈バイパス手術では5年生存率が3%以下とも言われてます(ネットより引用)
30年間の虚血性心疾患治療の発展に伴って、心筋梗塞の治療後に長生きされる患者さんが増えてきて、心筋梗塞の既往をもつ患者が世間に増加してます。


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