前回は下顎完全骨性埋伏智歯の上方で、下顎第2大臼歯遠心の骨欠損についてお話ししました。今回はその骨欠損がいつから、何のためにあるのかということについてお話ししたいと思います。facebookでは写真が見れませんので、興味がある方はブログに入ってください。
今回は根が完成していない小児の症例を見ていきたいと思います。
まず、これは歯根ができてないぐらいの時期です。歯冠が完全に骨に覆われているのではなく、このころには骨欠損があります。
次に第2大臼歯が萌出する前です。親知らずは骨に覆われているようですが、骨欠損は第2大臼歯の上方の骨欠損に連続していることがわかります。
次は歯冠が石灰化する前です。このころから、石灰化する前の透過像が第2大臼歯の上方の骨欠損に連続しています。
これは歯胚ができたばっかりの時ですが、やはり、骨欠損は第2大臼歯上方の骨欠損に連続しているようです。
ここまでで分かったことは、下顎完全骨性埋伏智歯の上方で、下顎第2大臼歯遠心にみられる骨欠損はあとでできたものではなく、親知らずが発生する過程でできたものであることがわかります。おそらく、この骨欠損は歯堤でしょう。
ということで、次回は親知らずの発生についてお話ししたいと思います。
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