前回より正中埋伏過剰歯のお話です。前回は正中埋伏過剰歯を抜歯することで、永久歯を適切な位置に誘導した症例をお見せしました。
では、正中埋伏過剰歯を抜歯しなかったらどうなるのでしょうか?
まずは下の7症例についてみてください。それぞれ過剰歯があります。
これらはすべて成人の患者さんですが、歯並びが悪い方はいません。
ちなみに、過剰歯があって歯並びが悪い患者さんもいませんでした。
過剰歯があって歯並びが悪い患者さんは小さいころに抜歯をした経験があるということでしょうか?それとも過剰歯があっても歯並びに影響しないということでしょうか???
この患者さんはレントゲンには左上の前歯のあたりに過剰歯があるのがわかります。
CTでみるとどうなっているでしょうか?
口蓋を後方に向かって進行中です。
この患者さんはレントゲンには右上の小臼歯のあたりに過剰歯があるのがわかります。
CTでみるとどうなっているでしょうか?
口蓋をもっと後方に向かって進行中です。だいぶうしろまで来てますね。将来は口蓋骨の後方から軟口蓋に出てくるでしょうか?
この患者さんはほとんど歯がありませんが、過剰歯だけ残っています。これはどこでしょうか??
CTでみると鼻の粘膜の下に出てきてます。
このように正中埋伏過剰歯は放置しても歯並びに影響しないことが多いことがわかりました。しかし、抜歯をしなかった人のことであって、生え変わりに問題があった患者さんの過剰歯を放置してもちゃんと歯が並ぶという証拠にはなってませんので、抜歯の必要性はよく考えて患者さんに説明する必要があります。
左の写真は7歳の写真、右の写真は11歳の写真です。過剰歯を抜歯しなくても歯間離開が治ってます。当院にきた11歳の時点では歯並びに問題ないので抜歯の必要性はないでしょうと説明して終了しました。この患者さんは過剰歯があることで歯間離開していたけど、抜歯せずにそれが治ったという症例でした。


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