歯原性角化嚢胞は再発が多い疾患ですので、一度は良性腫瘍に分類されました。
その再発症例について検討いたします。
九大病院の顔面口腔外科20年間の79症例中再発したのが8症例でした。その症例について表にしておりますのでご覧ください。
年齢、性別に特徴はありません。下顎枝にできた嚢胞ばかりが再発しております。上顎の嚢胞の再発はありませんでした。初診時の症状や内容物で再発しやすいか否かはわかりません。パントモ上多房性のものがほとんどで、開窓療法を行ったものばかりでした。
下の表に再発したのが摘出後何年に発覚したのかが示されます。図には大きなしるしが最初の嚢胞の大きさで、その中の小さなしるしが再発した時の大きさです。
再発部位は開窓部より遠位にある傾向にありました。囊胞摘出後から再発まで1年後から13年後までと一定してませんでした。
また、再発率は過去の報告と概ね同等でした。すべての症例で下顎骨の形態を回復することができております。
また、顔貌の変形、残遺障害なく治療することができております。
病理組織において、再発症例の上皮は薄く、開窓後の厚い上皮とは異なる印象でした。嚢胞の治療をすると嚢胞璧の厚みは増すため、再発症例の錠皮が薄いということは摘出した嚢胞のそばの娘嚢胞が大きくなったのではないかと私は考えております。
症例レントゲンは古い症例ですので、ネットに流す許可を得てませんので出しません。興味がある方はご連絡ください。個人的に。。。
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