知覚異常7

以前口腔顔面神経機能学会で報告した症例です。

40代の女性ですが、下唇の知覚異常を主訴に来院されました。その時のレントゲンです。

下唇の知覚異常が主訴の場合には顎骨内の炎症だけでなく、腫瘍も視野に入れて検査を進めなくてはいけませんが、この方の場合には右下第1大臼歯の根の周りに透過像がありましたが、下歯槽神経まで炎症が波及しているようにみえないX線所見で、炎症も強くありませんでしたので、特に腫瘍を否定したいところでした。血液検査では明らかな血液腫瘍を疑うような所見はありませんでしたが、CTを撮影したところ次のような感じです。

よくわかりませんでしたので、次にMRIを撮影しました。次の写真です。

次の写真のような論文がありましたので、やっぱり、これだけで悪性腫瘍は否定できないと判断しました。

ということで、生検です。

結果的には下顎骨髄炎でしたが、このように腫瘍を否定しきれない症例もありましたのでご報告いたしました。

いろんな論文に根尖病変からの下唇の知覚異常の報告があります。

Cohenca N,et al: Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 2008;105:e28-e31

Di Lenarda R, et al : Endod Dent Traumatol. 1996 Dec;12(6):298-300.

Giuliani M, et al:Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 2000 Dec;90(6):746-9.

これらの論文では、顎骨内の浮腫が下歯槽神経を圧迫していると考えると考察しています。

The following two tabs change content below.
やましろ歯科口腔外科 院長 山城
福岡で親知らずの抜歯、ドライマウス、睡眠時無呼吸症候群、口腔がん健診のことならやましろ歯科口腔外科へ。 日本口腔外科学会認定専門医が治療します。
やましろ歯科口腔外科 院長 山城

最新記事 by やましろ歯科口腔外科 院長 山城 (全て見る)