口の中には菌がたくさんいます。こんな感じですね。
口の中は粘膜という皮で覆われており、容易に菌が体内に入らないように壁を作っています。皮膚も体の中に菌が入らない壁ですね。体の中で壁が途切れている部分があります。それは・・・歯と歯肉の間と爪と皮膚の間等硬い組織と軟かい組織の間の隙間です。
歯と歯肉の間には菌が入らない防御機構がありますが次の写真をご覧ください。歯石がいっぱいついているのがわかりますか?
この歯石を除去すると
歯石を取った後は赤くなってますね。この赤くなっている部分は歯肉の壁から容易に菌が体内に入り込みやすい傷に近い状態になっています。
次に島根県のホームページにはもっとすごい写真があるのでhttp://www.pref.shimane.lg.jp/medical/kenko/kenko/shika/shika_kenshinhyo.htmlをご覧ください。完全に粘膜の壁が壊れているのがわかります。この壁が壊れている傷の部分に細菌がたくさんついている歯石が接していたのです。
歯周ポケットが2mm程度であれば正常ですが、すべての歯に5mmの歯周ポケットがあったと仮定すれば、口の中に手のひらサイズの傷があるのと同じだと言われています。この傷すべてに細菌が付いているのです。歯の治療をしたときに、菌が血管内に進入して全身を巡ることがあると言われていますが、日常の食事や歯みがきの時ですら菌が体内に侵入して全身を巡っているというデータもあります。
通常は白血球という細菌を食べてしまう細胞が体の中にいるのですが、体力・免疫力が落ちているときには白血球が細菌を食い尽くすことができずに、心臓についたり、菌が血管内で増殖して高熱がでることもあります。その他、口の中の細菌が全身を巡ることで糖尿病や狭心症・心筋梗塞等の循環器疾患、脳卒中も起こりやすくなると言われています。
歯石は人の体にこっそり影響を及ぼしているのです。
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