若い時に抜歯をした方がいい理由についてご説明します。
理由1・・・年を重ねるにつれて歯と骨がくっついてくるので、抜歯の時に骨を削らないと抜けなくなります。
歯と骨の間には歯根膜という膜があります。
1.クッションとしての役割
2.歯の感覚・センサーとしての役割
3.感染防御
等様々な役割があり、直接歯が骨についているわけではありません。
埋まったままの咬まない歯や、歯の頭がむし歯で溶けて咬まなくなった歯は、歯根膜が「もう役割はないのかな~」って感じになって歯根膜自体が無くなってきます(廃用萎縮)。歯根膜があった部分には骨ができてきて歯と骨はくっついてくるのだと思います。
癒着をする前に抜歯すると骨を削る量が少なくて抜歯ができます。
若い時に抜歯をした方が良いもう一つの理由に神経の問題があります。
顎の中に大きな神経が通っています。
枝分かれしてそれぞれの歯に入っていきます。
むし歯で「しみる」って感じるのはこの歯の中に入った神経が感じるのです。
親知らずが深い位置にあると、レントゲン上で神経と歯の根が重なって映っていることがあります。
時々歯の根が神経につきささっていることがあり、抜くだけで神経の異常が起こることがあります。
若くて、歯の根が完成していない時には、神経に歯が突き刺さっていないので、この段階で抜歯した方が合併症は少ないのです。
ということで、親知らずの抜歯は年齢を重ねるごとに難しくなり、合併症も多くなります。
なので、若い時に抜歯する方が良いと思います。
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