先日顎の下が腫れているという7歳の少年を紹介していただきました。
左下の顎の下が腫れて痛い!熱は36.9度で38度以上の高熱は出てないとのこと。食事の時に特に痛いとかいうわけでなく、触ると痛い。昨日よりもよくなっているとの話でした。触るとリンパ節は触れずに、顎の下が張った感じでちょっと硬い。押すと痛い。顎下腺からの唾液の流出はあって、膿は出てない。唾石など触れない。CTでも唾石はない。片側性で高熱が出てない顎の下の腫脹ということで、顎下腺の感染を疑いました。痛みが減ってるのであればそのまま様子見て、腫れがひどくなってきたら総合病院せ精査のために手紙を書きますよ。ということでその日は診察を終えました。
数日後に反対側の顎の下も痛くなってきたとの電話を頂きました。両側性であればウィルス性を疑い、総合病院でなく近くの小児科に行ってくださーいと指示して、その夜電話してみたところやはり小児科の診断は「おたふく風邪」でした。
そうです。おたふく風邪は「流行性耳下腺炎」と言いますが、耳の下の耳下腺だけにできる病気ではなく、顎下腺にもできるのです。
ちなみに耳下腺はこれ
顎下腺はこれ
耳下腺が腫れるとここが腫れて、
顎下腺が腫れるとここが腫れます。
片側だけにもできて、必ずしも両側が腫れるとは限りません。
補足ですが、男性の場合ごく稀ですが睾丸がはれて、不妊になることがあるそうなので、侮れません。高校生で睾丸が腫れた患者さんを見たことがあります。
顎下腺炎は診断が難しいですが、総合病院でCTを撮らないと困るものなのか、そんなことしなくても大丈夫なのか判断に迷いますが、今回の患者さんは結果的にクリニックレベルでも対応できたので、よかったと思います。
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