今回は骨の治り方について勉強したことを報告します。
歯を抜いた後、骨の中の病気の手術をした後、骨折したときの骨の治り方についてです。
骨折の治癒について弘前大学ホームページ http://www.hs.hirosaki-u.ac.jp/~pteiki/research/joint/basic.htmに以下のように記されています。
①第1期(骨折血腫期)8~10日
骨膜・骨髄・筋肉・血管が損傷され,血腫を作る→損傷血管が収縮して出血が止まると炎症が起こり,血腫は組織化→骨膜肥厚→血管多くなる→細片の骨髄は血液と混じって灰白色の組織に変わる→凝固した血液は赤色の組織となる→小骨折片はこれら増殖した組織の中に埋もれる。
②第2期(骨一次性仮骨形成期)10~25日
増殖した組織は周囲と明らかに区別し得るようになり,白みがかって線維軟骨の硬さになる(初期仮骨)→骨膜を通じて癒合する
③第3期(造骨細胞増殖・分化期)20~60日
この期間は年齢や健康状態により異なる。
初期仮骨は縮小→全体が骨になる(骨海綿質の性質も持つ)
④第4期(硬化期)50~6ヶ月
海綿骨様仮骨は硬い骨に変わる(終末仮骨)
⑤第5期(改変期)4~12ヶ月
正常な骨膜に包まれた完全な骨となる。
次にイメージです。
もともと骨の周りを骨膜という膜が覆ってます。
この膜の中に血液が貯まって、骨ができてきます。
ある程度60日までに完全ではありませんが骨ができてきます。
半年から一年かけてもとの形の骨に戻ります。
顎の骨折の後の治療についてお話します。
口の開け閉めをしたら骨折部が動くため骨折は治りません。
ですので、金属プレートで固定する手術をします。
骨折の手術後で骨ができたであろう6ヵ月後に金属プレートを除去します。
この時きれいな骨ができていることが確認できます。
ある施設では3ヶ月で金属プレートを除去していましたが、3ヶ月でもきれいな骨ができていることが確認できていました。骨の密度は薄いかもしれませんが、3ヶ月でも骨折の割れ目がなくなり、骨の形が整うことがわかりました。
歯肉の中ではどんな反応が起こってるのか読めませんが、このことを参考に骨の回復を予測して治療を行ってます。
最新記事 by やましろ歯科口腔外科 院長 山城 (全て見る)
- Pell及びGregoryの分類 - 2023年7月8日
- 抜歯後の痛み - 2023年6月13日
- 完全に埋まっている親知らずにどれだけ歯石がついているのか? - 2023年5月20日
- 親知らずが起こす問題点 - 2023年4月30日
- プラークの付着率 - 2023年3月9日