ちょっと前にJAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2016―歯性感染症―についてご紹介しました。
現在は感染でなく、抜歯手術等の周術期の予防投与のガイドラインについてご報告したいと思います。ちょっと改変して下に記します。
2020 年の経口セファロスポリン系薬,フルオロキノロン系薬,マクロライド系薬の人口千人あたりの一日使用量を 2013 年の水準から 50% 削減する目標があるそうです。
経口セファロスポリンは特に腸管からの吸収が10~40%程度なので、現在は使わない方向に進んでますよね。
術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン
http://www.chemotherapy.or.jp/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf#search=’%E8%A1%93%E5%BE%8C%E6%84%9F%E6%9F%93%E4%BA%88%E9%98%B2%E6%8A%97%E8%8F%8C%E8%96%AC%E9%81%A9%E6%AD%A3%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%AE%9F%E8%B7%B5%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3′
歯科用インプラント手術 サワシリン(経口1回 250mg~1g) 単回投与 手術1時間前
下顎埋伏智歯抜歯手術 サワシリン(経口1回 250mg~1g)単回~48時間 もしくはオーグメンチン(経口1回 375mg~1.5g)単回~48時間 手術1時間前
抜歯(感染リスクあり)サワシリン(経口1回 250mg~1g)単回~48時間 もしくはオーグメンチン(経口1回 375mg~1.5g)単回~48時間 手術1時間前
感染リスクありとは
コントロールの悪い糖尿病/高血圧、COPD、高度肥満(BMI≧40)、活動性の肝炎、アルコール依存または中毒、ペースメーカー患者、中等度EF低下、定期的に透析をうけている末期腎不全、60週未満の早産児、3ヶ月以上経過した以下の既往(心筋梗塞、脳血管障害、TIA、冠動脈疾患/ステント留置)
抜歯(心内膜炎・感染リスクなし)予防抗菌薬の投与は推奨しない
昨年オーグメンチンは社会保険のほうでは使用を認められました。なので、わりと使ってますが、先日国民健康保険の審査では認められませんでした。
社会保険で認められて、国民健康保険で認められないってなんか納得いきません。日本のガイドラインで推奨されている薬なのにって思います。
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