親知らずの抜歯の説明をする時に、この患者さんは将来う蝕になりやすいのか、歯周病になりやすいのかを考えながら説明します。
虫歯になりやすい人でないのに、将来虫歯になるから抜歯しましょうというのはおかしな話です。
今回はそのことについてお話したいと思います。
口の中にはいろんな細菌が沢山います。虫歯の原因菌や、歯周病の原因菌、色素を沈着させる菌、においを産生する菌等様々な菌がいます。
虫歯の原因菌が多ければ、虫歯になりやすいし、
歯周病の原因菌が多ければ歯周病になりやすい。
虫歯の菌ほとんどいないと歯磨きしなくてもむし歯になりにくいです。
当たり前といわれればその通りです。
歯医者には痛くなってからしか行かない人が多いと思いますが、歯磨きを教えてもらわないから歯磨きが下手で歯周病になる人が多いです。
虫歯の治療歴がなく、かつ、虫歯がない人は虫歯の菌が少ない人だと思います。今後虫歯になる可能性は低いと考えられます。こんな人には虫歯になるから抜歯しましょうというのではなく歯石で歯肉が腫れやすいという話をします。
パノラマX線写真全体ををみて、この人は虫歯になりやすい人なのか、歯周病になりやすい人なのかというとこまで把握したうえで、親知らずの抜歯の説明しなければなりません。
しかし、そんな人でも、突如虫歯がひょっこり一本だけできる人もいますので、安心はできません。
しっかりとブラッシング指導を受け、ある程度以上の歯磨き技術があれば虫歯を予防することは可能だと思いますので、抜歯を希望されない場合には予防に努めるべきであることを十分に説明します。
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