今回は傷と細菌のバランスについてネット上で検索できる論文(東北大医保健学科紀要 24(1) : 15~8、2015)を引用して報告します。
さまざまな傷を擦過して、細菌培養をするとブドウ球菌、緑膿菌、溶連菌などさまざまな細菌が検出されます。
傷には必ず細菌がいるのです。
細菌がそこにいても、傷はちゃんと治癒に向かいます。
傷の上に細菌がいてもいいのです。
菌が傷の上にいることで、感染する能力が強い菌が進入するのをブロックするということを傷の勉強会で聞いたことがあります。
消毒して傷の上の菌を殺すことで感染する能力が進入する機会を増やすことになるので、やはり今までのように傷の消毒をして傷の上の細菌を減らそうとする努力は必要ないのです。
感染する能力が低い細菌(表皮ブドウ球菌等の常在菌)であれば傷の上にいてもらった方が傷は治りやすいということです。
だから、子供のころに擦り傷をつくっても化膿したことないんですねぇ。
消毒痛かったなぁ。
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