先日に続いておもしろい論文2です
血管イベント後にいつ歯科治療をおこなったら最も二回目の血管イベントが起こりやすいか?ってことです。
その論文はSkaar D :Dental procedures and risk of experiencing a second vascular event in a Medicare population. JADA 2012 Nov;143(11):1190-8
血管性発作(心筋梗塞など)が起こったのは、2035人。そのうち、二度目の発作が起きたのは、445人ですが、そのうち283人は一度目の発作の後に歯科治療を受けていました。
最初のイベント後30日以内、60日以内、90日以内、180日以内に侵襲的歯科治療を行った人と行ってない人の二次血管イベントの有無を比べました。
ここでいう侵襲的歯科治療は抜歯、歯周治療、歯内治療です。
著者は、結果的には歯科治療と二度目の発作との間に優位な関係は見いだせなかったとしています。また、同様に、喫煙、糖尿病、高血圧の合併症においても優位な関係を無かった。
結論:最初の血管イベント後どれだけ時間を経て侵襲的歯科治療をしても二次血管イベントが増えるわけではない
つまり、心筋梗塞や脳梗塞のあと歯科治療はいつしてもいいですよ~ってことです。
でも、歯科治療は痛くすればそれなりにストレスをかけますので、痛くすれば心臓に負担をかけるのだと思います。(これは論文には載ってませんが・・)我々の中では麻酔も痛くなければ、麻酔の中のアドレナリンの全身の影響は少ないので問題ないのだと思います。
前回の論文はその後に発作が起こる人がいるとすれば、歯科治療をした4週間後までが有意に多いということで今回の論文と違いがわかりますか?
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