口腔乾燥症に対するうまみ療法

口腔乾燥症は治療が難しい病気です。漢方薬がありましたが、効果は様々で、患者さんが満足するほどではないかもしれません。最近口腔乾燥症に対するうまみ療法という考え方が出てきましたのでご報告いたします。

うまみは甘み、酸味、塩み、苦みに続く“第5の味覚”として世界的に認められるようになってきました。うまみを感じさせるのはグルタミン酸で、2002年味を感じる舌の細胞にうまみ物質のグルタミン酸を特異的に受け止める受容体があることが判明しました。

唾液を分泌する器官として、耳下腺・顎下腺・舌下腺等の大唾液腺の他に口の中全体に小唾液腺があります。唾液の分泌の測定方法は様々ですが、小唾液腺から分泌する唾液量を評価する方法がなかったのが、最近評価できるようになってきて、様々な味刺激による唾液分泌量の評価が可能になってきました。

酸味(すっぱい)刺激で分泌する唾液は刺激直後に多く分泌し、徐々に減少していきます。うまみ刺激で分泌する唾液は同様に刺激直後に多く分泌しますが、酸味刺激の時よりも分泌量がしばらく継続します。

ドライマウスの治療法として東北大学の笹野名誉教授が薦めているのが、うまみ物質グルタミン酸が豊富な昆布茶です。塩分のとり過ぎにならないよう通常の3倍程度に薄め、30秒ほど口に含む。これを毎日3回程度続けていると、約8割の患者で口の乾きが改善する。薬のような副作用もなく、安全に手軽に治療できるそうです。

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福岡で親知らずの抜歯、ドライマウス、睡眠時無呼吸症候群、口腔がん健診のことならやましろ歯科口腔外科へ。 日本口腔外科学会認定専門医が治療します。

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