当院の予防1

当院で行っている3つのむし歯予防について御報告いたします。

当院では

1歯を強化する

2酸性をコントロールする

3むし歯菌をコントロールする

という3つの虫歯予防を推奨しています。

今回は1歯を強化する、についてお話します。 12

といっても皆さん御存知のフッ素の話なのですが、我々が大学で習ったのは歯ぐきから出てきたばかりの歯に対して有効であって、出てきた後の歯にはあまり効果がありませんよ、と言ってました。

しかし、最近は溶けかけの歯に対して有効であるとか、歯ぐきが下がった根っこの部分に有効であるという報告がちらほら。

Jenson&Kohoutの論文報告では,54歳以上を対象に1日2回,1年間にわたり1100ppmのフッ素濃度のフッ化ナトリウム配合歯磨剤を使用した群では歯冠部に対して41%、歯根面に対して67%もの虫歯予防効果があったと言ってました。

そうです。これからは、溶けかけの歯に対して削って治療していたのですが、溶けかけの歯に対してはフッ素を頑張って塗ることで元の状態に近づけることができるんですよ。

そのほかに論文には以下のようにまとめてあります。

・フッ化物製剤(歯磨剤、洗口剤、ゲル剤、バーニッシュ剤)の予防効果は、製剤の違いで有意差はなく、5~16 歳の子供で約26%、歯磨剤との併用による塗布剤の上乗せ効果は約10%

・低濃度F 歯磨剤(F として500 ppm)の予防効果のデータはない。

・乳歯でのゲル剤の効果は確かめられていない

・プラセボ歯磨剤(フッ化物無配合)に対して1000 ppm F 歯磨剤の予防効果は24.9%(若年者)

・1500 ppm F 歯磨剤は1000 ppm F 歯磨剤より9.7% 高い(約35%)、やっぱり濃度が高い方が効果は良いということですね。

・乳歯での予防効果はよくわかっていない。ということでした。

Twetman S, Axelsson S, Dahlgren H, Holm AK, Källestål C, Lagerlöf F, Lingström P, Mejàre I, Nordenram G, Norlund A, Petersson LG, Söder B. Caries-preventive effect of fluoride toothpaste: a systematic review. Acta Odontol Scand. 2003; 61: 347-55.

 

でも10年前から溶けかけた歯に対して削る治療をせずにフッ素で治療して良い結果を残した先生もいます。その先生を見習って、削らなくてもよいむし歯に対して無駄に削らない治療をしたいと思います。

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この白くなってきている部分は溶けかけてきてるのです。

生活習慣の改善とフッ素塗布が後に大きく影響するのです。

今はフッ素とミネラルを含むガムであるポスカ等いろんな商品があって面白いですよ。ぜひ話を聞きに来てください。

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