ステロイド服用の患者さんの歯科治療1

ステロイドにはさまざまな服用があります。ステロイド服用の患者さんの歯科治療は注意すべきことがあります。

ストレスがかかった場合には下垂体からステロイドを分泌しなさいと副腎に命令が下され、ステロイドが副腎から分泌されます。(本当はもう少し複雑ですが)ステロイドを服用して、多めのステロイドが血液中にあると下垂体からの命令がないので、副腎のステロイド分泌は減ります。ステロイド分泌が減ると副腎は委縮して機能できなくなるので、いざストレスがかかった時にステロイドの分泌ができずにストレスへの対応ができなくなります。これが副腎不全です。

プレドニゾロン15㎎/day以上を慢性的に服用している患者さん、2週間以内にプレドニゾロン15㎎/dayの治療を行っていた患者は副腎不全に名ている可能性があります。

副腎不全でステロイドが十分に出ていない患者さんにストレスがかかれば、糖質コルチコイドが低下して心筋の活動性が低下し、アルドステロンが低下して循環血流量が低下するため心拍出量が低下し、循環血流量減少性ショックが起こります。なので、このことを回避するためにステロイドの追加投与(ステロイドカバー)をすることがあります。その基準と方法を表に示します。

2002年の口腔科学会雑誌に次のような記事があります。ステロイド服用患者50例計77回の抜歯について検討され、恐怖心の強い患者を除けば、抜歯などの侵襲の少ない小手術ではステロイドホルモンの分泌に変動がないため、ステロイドカバーをしなくても局所麻酔を十分に効かせてストレスを最小限にすることが重要であるとされています。最近はプレドニンを維持量で服用している患者の外来処置程度であれば内科の先生もステロイドカバーは必要ありませんと返事を頂くことが多いような気がします。

ステロイドカバーについては内科の先生に相談をしても良いのですが、内科の先生は我々がどのような処置をするのか全く知りませんので、しっかり処置内容を伝えることが大切です。

 

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やましろ歯科口腔外科 院長 山城
福岡で親知らずの抜歯、ドライマウス、睡眠時無呼吸症候群、口腔がん健診のことならやましろ歯科口腔外科へ。 日本口腔外科学会認定専門医が治療します。
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