御年配の方々は唾液の分泌が減ってきてドライマウスになりやすくなります。
口が乾いてくると口の中の最近のバランスが崩れて、普段おとなしいカンジダという真菌が増殖してくることが多々あります。
御年配の方々の口の中の痛みや違和感の大部分はカンジダが原因ではないかと思っています。
このカンジダに対して我々はフロリードゲルやファンギゾンシロップなどの抗真菌薬の処方を行います。
フロリードゲルは口腔カンジダ症でとても使いやすい薬ですが、ワーファリンの薬効を増強すると言われており、最近カンジダの治療薬であるフロリードゲルと抗血栓療薬のワーファリンが併用注意から併用禁忌になりました。
歯科で使用するフロリードゲルは口に塗布するだけだから、食道カンジダに使用する飲み込むとは濃度が違って大丈夫、なんて思ってはいけません。
フロリードゲルは少量口に塗布しても粘膜吸収して、血管内に入っていくんですよ。
ということで症例ですが、ある病院で経験した患者さんです。その患者さんは70代の女性でした。
鼻出血がとまらないという主訴で救急外来を受診しました。出血傾向がありそうだということで血液検査をしたところ、PT-INRが10を超えて測定不可能!!!ビタミンK製剤で改善したのです。数日前に食道カンジダの診断でフロリードゲルを服用したのですが、ワーファリンを併用してたということです。この時のフロリードゲルは指先に数センチゲルを出して内服していたそうです。
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