薬剤関連顎骨壊死は骨粗鬆症や癌の骨転移に対して用いられるビスフォスフォネート等の骨吸収抑制剤によって起こる顎の骨の壊死の副作用です。
発生率は飲み薬で10万人に1~69人、静注薬は0~90人と報告されています。(顎骨壊死関連委員会ポジションペーパー)
この薬は骨折リスクをかなり減らし、骨転移による疼痛をかなり抑制するので重要な薬剤です。
比較的新しい薬剤で、2003年に初めて顎骨壊死の報告がされました。飲み薬を10年以上服用した患者さんについてのデータはほとんどないのです。
副作用が多いか否かはまだはっきりはしておりません。ということで、当院に3年間で来院した薬剤関連顎骨壊死の患者さんについて御報告いたします。
3年間で当院に来院した骨吸収抑制剤の服用経験があって、腐骨が分離もしくは露出してきた患者さんは全部で13名です。
その中で、現在腐骨が露出した状態で定期的に洗浄している患者さんが4名、腐骨が分離して上皮化した患者さんが6名、露出しているけれど来院されなくなった患者さんが3名です。この人数を多いととらえるか、少ないととらえるかはそれぞれだと思います。定期的に洗浄している患者さんの2人は2週間に一回、一人は1週間に一回、一人は1週間に2回洗浄している状態です。
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