前回は肥大している親知らずの根の割合をご報告いたしました。親知らずの歯根は最初は2根であっても肥大して単根になることがわかりました。今回は単根と複数根にわけて、単根の割合が増えてくればそれだけ根が肥大していることを反映していると考え、単根の割合を算出しました。
第2大臼歯は1955本中、単根が885本、複数根1070本でした。しかし、智歯は1969例中、単根が1249本、複数根が720本でした。かならずしも左右両方とも複数根、両方とも単根ということはなく、片側が複数根で片方が単根である症例も多かったのです。第2大臼歯の歯根は若い時から高齢になるまで40%前後でしたが、親知らずは若い時には単根が20%でしたが、徐々に単根の割合が増えてくることがわかりました。40代になると、80%が単根であることがわかりました。
グラフに示すのは縦軸が第2大臼歯の単根の割合で、横軸は年齢です。
次のグラフに示すのは縦軸が親知らずのの単根の割合で、横軸は年齢です。
親知らずは年齢とともに単根の割合増えてくるのですが、これは年を重ねるとともに根が肥大して、複数の根が癒合するからだとかんがえております。次回はどのような歯の根が肥大してくるかということを検証していきたいと思います。
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