親知らずの歯根の肥大

前回は親知らずの歯根の長さを測定して、親知らずの歯根の完成の時期を考えてみました。

概ね22歳ごろになると親知らずの歯根の長さが一定になってくることがわかりました。

では、今回は親知らずの歯根の肥大が何歳ごろから始まるか、どれくらいの割合で肥大してくるのかをCTで見てみました。

こちらは根が肥大していない2根の親知らずです。

こちらは2根が肥大して単根になった親知らずです。

 

最近親知らずの根肥大の報告がありましたので、そちらもご参照いただければと思います。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/josnusd/63/2/63_20-0509/_pdf/-char/en

この論文ではセメント質肥大の有無を評価しているのですが、自分で同じような研究をしていた時に、セメント質が明らかに肥大しているのか、歯根自体が成長して太くなっているだけなのかの判断が難しいことに気づきました。なので、明らかに2層になっている根について肥大と判定いたしました。症例は正確にまだ数えておりませんが、1000症例ぐらいです。グラフを示します。20代前半は肥大しているととらえることができることが少ないですが、20代後半になると明らかに肥大しているように見える症例が出てきます。30代になると半数の親知らずが肥大してくること、40台になると70%を超えることがわかりました。

歯根が肥大することによって2根が単根になることもわかりました。年齢ごとの根の数を調べたので、後日ご報告いたします。

 

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