下顎智歯の埋伏位置

前回、下顎智歯の萌出障害は下顎体の成長と下顎枝の位置のバランスだけでなく、ほかにも様々な要素が関係あるようだという話をしました。萌出障害の原因をレントゲンだけで予測するのは難しいと思います。下顎智歯抜歯は、下顎智歯の位置や方向を把握することがとても重要だと思います。今回は、実際の症例で下顎骨のどこに下顎智歯があるのかを見ていきたいと思います。

まず、最初の症例は21歳の症例です。この患者さんは下顎枝の中に下顎智歯があるのがわかります。

次の症例は21歳の症例です。下顎枝に歯根がありますが、内側に歯冠を向けて、下顎体に歯冠があるようにみえます。

 

次の症例は20歳の患者さんです。右側は下顎枝から下顎体に歯冠出しているようにみえますが、根は下顎枝の中にあります。左側は歯冠も歯根も下顎骨体にあるようにみえます。右側は智歯が下顎骨体に十分に出てこれてないのですが、これは萌出スペースの問題でしょうか??下顎体が後方まで成長していないことが萌出障害の原因なのか??という疑問があったのですが、左側をみると、下顎智歯が萌出してくるから下顎第二大臼歯遠心に骨が添加されているのではないかという気持ちになります。

下顎体が成長したところに下顎智歯が移動するのではなく、下顎智歯が移動したところに骨が添加されると考えるべきかもしれませんね。

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