智歯の長さ

親知らずの抜歯の難易度を考えるにあたって、親知らずの歯根の形態を知っておく必要があると考えます。

歯根の形態とは、根の長さ、根肥大の有無、根の数です。今回よりこの歯根の形態についてお話ししたいと思います。

まず、今回は第2大臼歯と第3大臼歯の根の長さについて検討しました。根の長さは、1100症例1900側の下顎智歯について、CT画像でのセメントエナメルジャンクションの高さから根尖までの距離を測定しました。(詳細な条件は割愛します)

下顎第二大臼歯の平均歯根長が12.7mmで、下顎智歯の平均歯根長が10.5mmであった。下顎智歯が下顎第二大臼歯よりも短い傾向にあることがわかりました。

つぎに年齢別にみていきたいと思います。5歳ごとにデータを出してみました。

まず、5歳ごとに根の長さを見ていきます。第2大臼歯の歯根は完成が速いため10代のうちに12mm弱になる。調査した17歳以降は歯根の長さにそれぞれの年齢間に有意差はありませんでした。しかし、智歯歯根は19歳以下では9mmに満たないことが多く、25歳を超えると平均10mmになることがわかる。この根の長さをもう少し細かくそれぞれの年齢ごとに見てみたいと思います。。

17歳では根の長さが8㎜に満たない事が多いが、徐々に成長し、22歳ごろからは長さが安定してきています。残念ながら、症例数が少なくなってくるため、有意差は出ませんでしたが、この22歳前後に歯根が完成してくるのだと考えられます。

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