下顎智歯歯胚の形成過程

今回は下顎智歯歯胚がどのような時期に行われ、また、第2大臼歯の萌出時期とどのような関係にあるのかを確認する目的で調査を行いました。まず、歯の形成過程を次のように分類しましたた。A、歯胚が透過像だけの状態、B、歯胚が石灰化し始め、透過像内に石灰化物がわずかに確認できる状態。C、歯冠がほとんど確認できるが、歯根が確認できない状態、D、歯根の形成しはじめる状態、E、歯根がある程度形成しているが、根尖が開いている状態。F,根がほぼ完成しに根尖が閉鎖し始めた状態。

歯胚がない症例も含めて症例数×2を分母とし、それぞれの年齢で割合を出しました。6歳には8例16側中2側(12.5%)に、7歳には11症例22側中2側(9%)に石灰化する前の歯胚の形成を認めたましが、症例数が少ないため、表に示さずに、8歳以上の患者で表に示しています。8歳では40%以上に石灰化する前の歯胚の形成がみられ、10%に石灰化を開始している症例がみられました。10歳では、石灰化を開始した歯胚が27.4%みられ、歯冠の形態がある程度みえるほど石灰化した症例もあった。13歳までは歯冠の形成がみられない歯胚が確認できたが、その年齢を超えると歯冠の形成がみられない歯胚は確認できなかった。13歳を超えてパノラマX線写真を撮影した時に、歯胚の形成がみられなければ、下顎智歯は先天的に欠損していると考えていいだろう。13歳にはほとんどがある程度の歯冠形成がされており、13歳を超えると、歯根を形成する下顎智歯がみられる。19さいになると大部分の下顎智歯の歯根が完成に近づいている。

14歳を超えて歯胚がみられない場合には、下顎智歯はもうできてこないと判断してもいいようですね。

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