小林麻央さんのニュース大変残念です。心よりお悔やみ申し上げます。
最近インターネットで「抗癌剤の効果がなく、副作用ばかりだから治療を受けないほうがよい」という記事が目立ちます。このことについて私の考えを述べたいと思います。
当院には先日まで舌癌の術後の患者さんが来院していました。
その患者さんは手術後に先生から放射線治療と抗癌剤の治療を勧められましたが、インターネットでの抗がん剤は効果がないだけでなく、副作用が多いという記事を見て治療を拒んでいたのです。結果、頸部に再発して腫瘍が徐々に大きくなってきていたのでした。患者さんはしばらくして、治療についてもう一度相談して抗癌剤の治療を行ったのですが、間もなく亡くなりました。
また、7年ぐらい乳がんの治療をしていた40代の女性が口内炎の治療を目的に当院を受診していました。その方には小学生の子供がいたので、一生懸命抗癌剤の治療を続けて延命を行っていました。この方も最近なくなったのですが、子供のために一生懸命頑張っていたのでしょう。抗がん剤は癌を完全に消滅することが難しいかもしれませんが、延命できる症例は少なくないのです。
抗癌剤が悪者で、治療に使うべきでないという記事が目立ちますが、この記事に惑わされて治療が遅れる患者さんが増えているような気がします。また、一生懸命治療しようとする先生方が説明に困るようになってきている気がします。これらの記事には癌の治療を受けないという選択をした場合にどのように生きていけばよいのかが書いてないような気がします。一般の人を惑わせるだけで、その人たちをどこにも導くことをしないのはどうでしょうか。
非常に疑問を感じるところです。
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