先日よりどのような条件の親知らず抜歯が容易にできるか、難しいかを検討しております。
facebookではグラフの詳細が見れませんので、興味がある方はブログに入ってください。
完全に歯肉の中に埋伏していた親知らず抜歯の方が、歯肉からみえる親知らずの抜歯よりも抜歯時間は当然長いのですが、意外なことに、根が一つの場合と二つ以上の場合とで抜歯時間に大きな差が出ませんでした。
今回は年代別に抜歯にかかった時間の平均を示したいと思います。
10代の患者さんが一番早く、年齢が増加するにつれて抜歯にかかった時間が多くなるはずと思っていました。概ね年齢とともに抜歯にかかった時間は増えてますが、20歳から24歳まで群と25歳から29歳まで群がほとんど親知らず抜歯時間に差はありませんでした。
私の中では24歳以下の親知らず抜歯は簡単で、29歳を超えると難しくなる印象がありましたが、20-24歳と25-29歳の親知らず抜歯時間はそんなに変わらず、とても意外でした。
でも、やっぱり24以下の患者さんの方が簡単に抜歯できるイメージがあったので、なぜかをさらに検討を続けてみました。
「根をとるのにひっかける器具(ヘーベル)がひっかかる隙間(グルーブ)を作ったか否か」、「根をとるのに根の分割が必要であったか否か」ということをまず示したいと思いますが、24歳以下ではほとんどの患者さんで、グルーブを形成する必要がなく、根を分割する必要がある症例が極端に少なかったのです。
25歳以上になると、抜歯するためにグルーブの形成、もしくは根分割をしなければ硬くて抜きにくいという症例が増えてくるという結果になりました。
骨とくっついていては歯が生えることができないため、親知らずが生えてしまうまでは骨との結合が緩いのだと思います。生えてしまえば咬むために骨と強く結合しなければならないので、抜くのも力がいるようになります。埋伏してかむ力が加わらなければ、歯根膜が機能しないため萎縮し、骨と置き換わって癒着します。年齢とともに歯が抜きにくくなるのはこのような理由が考えられますが、抜きにくくなるのは25歳以上であるのが今回の検討でわかりました。ただ、抜歯時間に差がでてくるのは30歳を超えてからであることもわかりました。
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