下顎智歯と下顎枝の位置関係

下顎智歯と下顎枝の位置関係を考えることは抜歯の計画を立てるうえで重要です。今回、下顎智歯と下顎枝の位置関係を、①下顎智歯が下顎枝の中にある、②下顎智歯歯冠の舌側端が第2大臼歯中心溝の延長線上より頬側にある、③下顎智歯歯冠の舌側端が第2大臼歯中心溝の延長線上より舌側にある。そして、根尖が下顎枝後方2分の1の内側面の延長線上より外側にある、④下顎智歯歯冠の舌側端が第2大臼歯中心溝の延長線上より舌側にある。そして、根尖が下顎枝後方2分の1の内側面の延長線上より内側にある、の4つに分類して、20歳以上と20歳未満の患者について検討した。20歳未満に関しては歯冠形成期と、歯根形成期、歯根完成期に分けて比較しまし

20歳未満の歯冠形成期においては、すべての症例で下顎枝の中にりました。歯根形成期においても、歯根の形成が少ない症例は下顎枝の中にありましたが、歯根の形成とともに歯冠が下顎枝から出ている症例が増えてきました。歯根が完成した下顎智歯は、歯冠が下顎枝から出ている症例がさらに増えています。④は下顎智歯の歯根が下顎枝から出て歯列弓の延長線上に並ぶ症例を示していますが、歯根が完成した20歳未満で18.8%であったのに対し、20歳以上では44.8%でした。下顎智歯の萌出過程については、本来ならば同じ患者で位置関係を追っていかなければ証明することはできませんが、このデータによって歯胚が下顎枝に形成されて、下顎体の歯列に移動することが予測ができるんじゃないでしょうか。

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