咬合力の有無による根の変化

根の肥大を調べているときに、第2大臼歯の歯根の肥大がほとんどないことに気づきます。親知らずの歯根が経年的に肥大して、第2大臼歯の歯根が肥大しないのはなぜでしょうか。

もしご興味がある方はFBではすべてのグラフが出せませんのでブログに入ってください。

先日ご紹介した親知らずの肥大を研究した論文https://www.jstage.jst.go.jp/article/josnusd/63/2/63_20-0509/_pdf/-char/en にも書いてあるのですが、咬合の有無がセメント質肥大に影響すると考えました。ということで、今回は対合歯と咬合している垂直方向に向かっている親知らずと、対合歯と咬合していない垂直方向に向かっている親知らずについて明らかな歯根の肥大があるか否か、歯根の数がどのようになっているのか(肥大して2根が癒合すれば単根が増える)ということを調べました。

症例は30歳以上の垂直方向の親知らずの患者で、縦軸は人数で、横軸が肥大があるか否かです。

 

 

 

咬合力がかかっている親知らずはほとんど歯根の肥大は見られなかったのに対して、咬合力がかかっていない親知らずは明らかに歯根肥大がある歯の方が多いことがわかりました。

また、咬合力がかかっている親知らずは単根よりも2根の症例が多いのに対して、咬合力がかかっていない親知らずは2根より単根が多く、2根が肥大して単根になっている症例が多いことがわかりました。なお、この研究では、当院でレントゲンを撮影した時の状態で、当院に来る直前まで咬合力がかかっていたけれど、来る直前に抜歯をした症例(受診したときには咬合力がかかっていない)ばあいは咬合力がかかっていないに分類されます。

正確な数値につきましては何かしらの方法で報告したいと思います。ブログではこれくらいに。

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