妊娠中の薬2

妊婦さんが受診したときの薬ってどうすればいいのでしょうか。(前々回の続きです)

最近では産婦人科の先生方も普通に抗菌薬を出しますよね。われわれは何を根拠に投薬をすればよいのでしょうか。

今回は鎮痛剤について・・・

鎮痛剤の催奇形性については概ね否定的です。むしろ妊娠後半期の胎児毒性が問題となります。例えば血管収縮作用により、胎児の心臓出口の血管が収縮してしまい、新生児肺高血圧症の原因にもなりかねません。また、腎臓の動きを悪くし尿量を減少させ、結果として羊水過少をまねくおそれもあります。という記載があります。

まず妊娠後期に非ステロイド系抗炎症薬は動脈管収縮、胎児循環遺残、羊水過少、新生児壊死性腸炎などの報告があるとのことです。なので、妊娠後期はアセトアミノフェンを投与しましょう。アセトアミノフェンは最近一日に投与できる量が増えましたね。

その他の時期は非ステロイド系抗炎症薬はオッケーです。

ただ、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、メフェナム酸は前期にわたって投与禁忌だそうですよ。

ということでまとめると、基本的にはアセトアミノフェンをつかうこと。ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、メフェナム酸は使用しないようにしましょう。強い痛みには妊娠後期でなければその他の非ステロイド系抗炎症薬を使用してもオッケーですね。

歯科医師が処方する場合は患者さんにちゃんと納得してもらって処方してくださいね。これが一番大事なことです。

産婦人科の先生に出してもらうのも一つの手かと思いますが、治療に必要と判断したら、患者さんに上手に説明してもらった上で処方していいのではないかと思います。

次回は抗菌薬についてです。

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