知覚異常4

40代男性

現病歴;2~3カ月前から左側下唇を誤咬して、腫れた感じであった。
初診の前日に朝起きたらオトガイ神経支配領域の知覚異常を自覚し、近歯科医院を受診した。
当科受診を勧められて当科初診した。
前日より改善傾向。

体温36.6℃、倦怠感なし、食欲良好

口腔外所見:顔貌左右対称、左側頬部の腫脹なし。

口腔内所見;┏5打診痛あり、周囲粘膜の発赤腫脹なし。

パノラマレントゲン写真では┌5根尖部に透過性病変を認めた。

やましろ歯科口腔外科のパノラマレントゲン写真

血液データ

血液データ

CTですが、下顎管とX線透過性病変が見られる。

下顎管とX線透過性病変

下顎管とX線透過性病変2

抗菌薬の投与で、次の日に知覚異常はほぼ消失した。

後日歯根嚢胞の診断下に摘出を行った(病理組織診断:歯根囊胞)。軽度の知覚異常を認めたがすぐに回復した。

歯根囊胞が感染して、顎骨内に炎症が拡がり、下歯槽神経を刺激して知覚異常を発症した症例でした。

次は知覚異常が下唇だけでない方の話です。

左側下唇、頬部の知覚異常を主訴に来院した40代の女性です。

下唇~上唇、左側頬部にかけての知覚異常です。

レントゲン写真です。右側下顎になにやらあるように見えますが、知覚異常がみられるのは左側です。

知覚異常

ここで、近くの異常が下唇だけでなく上唇と頬部ということですので、下顎内の病変ではないのかもしれません。
ということで、頭までのCTを撮影したのですが、このようになってます。

やましろ歯科口腔外科CTを撮影

なにやら左右非対称ですね。脳の病変があります。

私が持ってる資料はここまでで、この後は資料が残ってないのですが、脳の病変がなにかは確認できてません。
下顎の病変は腫瘍で、脳に転移したものか、下顎の病変が脳やほかの部位から転移してきたものか、というところでしょうか。

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