親知らず抜歯の難易度の評価

若い患者さんの親知らずは簡単に抜けます。根が二つに分かれていても、分割せずに抜けるし、ヘーベルを引っかけるのも簡単です。

今回からは深さや歯の傾斜、年齢などいろいろな条件で抜歯がどれくらい簡単か、難しいかを評価していきたいと思います。今回は、どんな患者さんを対象にしたかを示したいと思います。

症例は患者さんは埋伏智歯で、歯を削った患者さんだけを集めました。根がほとんどできてない智歯の抜歯はまた別に示します。

450名520側、平均年齢32.4歳男性175名女性345名右の親知らずが254側、左の親知らずが265側です。

調査した項目は抜歯にかかった時間、左右、年齢、歯の埋まり方、切開をどのようにしたか、歯石の沈着の有無、分割したか否か、グルーブを形成したか否か、でした。

まず、私がどのような埋伏智歯を抜歯したかを示します。

粘膜に完全に覆われている埋伏歯が246本、粘膜に完全に覆われていない半埋伏が274本でした。

続いて、親知らずの傾斜についてですが、まっすぐ生えている歯が61本、近心傾斜が122本、水平埋伏が316本、遠心傾斜が14本、逆生が7本でした。

水平の方が時間がかかるのでしょうか?ということを後日検証していきたいと思います

そして、根の数ですが、単根の歯が270本、2根以上の歯が250本でした。

パントモ上の深さの分類をPell及びGregoryの分類をもちいて示します。

1Aが167本、2Aが132本、3Aが38本、1Bが14本、2Bが84本、3Bが41本、1Cが2本、2Cが7本、3Cが35本でした。浅い親知らずだけでなく、深い親知らずも抜歯していることがわかると思います。

患者さんの年齢ですが、10代が41例、20代が187例、30代が174例、40代が75例、50歳以上が43例でした。

抜歯をはじめて、根をすべて取り出すまでの時間をはかりました。平均抜歯時間を出してますが、腕自慢と思われてはこまるので、Facebookではみれないようにしてます。興味がある方だけブログに入って見てください。抜歯時間の分布図もブログで見れます。25分以上かかったのが4例ですね。

まず、今回は今から検討する埋伏歯がどんな埋伏歯であったかを示しました。次回から、深い親知らずが時間がかかったのか、どの年齢までが簡単なのかなどを評価して示したいと思います。

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福岡で親知らずの抜歯、ドライマウス、睡眠時無呼吸症候群、口腔がん健診のことならやましろ歯科口腔外科へ。 日本口腔外科学会認定専門医が治療します。

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