10代の時の親知らずの方向

今まで、親知らずの位置や方向が重要であるというお話をしました。今回、10代の患者の中で、CTで下顎智歯を確認できた症例を集めて、下顎智歯の咬合面が向ける方向について調査しました。方向は水平方向と垂直方向にわけ、水平方向は7向き(7遠心面に歯冠を向ける)と内向き、その他の3種に、垂直的方向は横向き(水平方向)と少し上向き(近心傾斜)、上向きに分けました。

水平方向の7向きというのは、下顎智歯咬合面を完全に7遠心、もしくは遠心頬側隅角に向けている症例で、内向きは下顎智歯咬合面をの舌側面が7よりも内側に向かっている症例としました。7の萌出前は歯列弓よりも外側にあるため、この分類の説明ももう少し考え直さなければなりませんが、今回はこれくらいで。

歯冠形成期や歯冠完成期等の歯根の形成が始まるまでの下顎智歯は咬合面を内向きでやや上向きになっている症例がほとんどで、最初から水平に埋伏する智歯は見られませんでした。これは、指導帯の方向に咬合面を向けていることを示しています。

歯根形成を開始すると、咬合面を向ける方向にバリエーションが生じます。水平的には7遠心方向に咬合面を向ける症例が増えてきます。

分類もつっこみどころがありますが、今回言いたかったことは、下顎智歯歯胚はまず下顎枝内で発生すること、それは歯列弓よりも外側であること、歯列弓に並ぶためには萌出前は咬合面を内側に向けていること、歯根の形成に伴って向きは内側から歯列弓の方向に向きを変えるということですね。10代~20代前半の下顎智歯抜歯をする場合にはどの位置にあるのか、どの方向に咬合面を向けているのかが非常に重要になると思います。まだまだ、まとまっていませんが、今後もう少しまとめてご報告したいと思います。

The following two tabs change content below.
福岡で親知らずの抜歯、ドライマウス、睡眠時無呼吸症候群、口腔がん健診のことならやましろ歯科口腔外科へ。 日本口腔外科学会認定専門医が治療します。

最新記事 by やましろ歯科口腔外科 院長 山城 (全て見る)